学習リモコンの「eRemote mini」をAlexaから利用してみた
はじめに
一般的な家電の赤外線リモコン操作を学習し、スマートフォンのアプリやAlexaスキルから操作できる「eRemote mini」を入手し、 Amazon Echoからの音声操作を試す機会がありましたので紹介させて頂きます。
モバイルアプリ
スマートフォンで「eRemote mini」を操作するための専用アプリをインストールします。
公式設定マニュアル、ITmedia PC USER の「eRemote」紹介記事を参考に設定を行いました。
参考
- 公式設定マニュアル
- ITmedia PC USER 記事: Amazon Echoから家電を音声操作できるスマートリモコン「eRemote」を試す (1/3)
WiFi手動設定
「eRemote mini」のWiFi設定に失敗する場合、手動設定で回避出来る模様です。
今回利用した、TP-Linkのルータ(Archer C7)とiPhoneSE(iOS 11.2.1)では、下記手順でWiFi設定を行いました。
■AP設定の手順
1.アプリTOP画面より右フリック
2.デバイス追加画面より、右上をタップし、AP設定を選択
3.eRemoteのリセットを長押しし、高速点滅状態にする
4.高速点滅状態から、一度離し、再度リセットボタンの長押し
5.ランプが1秒間隔が4回点滅の状態になります。
6.スマホの設定画面より、Wi-Fi接続をONにし、BroadlinkProvというアクセスポイント(SSID)が出ますので接続。
7.アプリに戻り、説明のポップアップが出ておりますが、OKを押し、右上の更新を押す
8.SSIDの一覧が出てきますので、お使いのルーターのSSIDを探し、パスワードを入力
9.接続成功と出ますので、スマホのWi-Fi接続をお使いのルーターに戻す。
10.セットアップが完了しておりますので、アプリを開き、操作できるかお試し下さい。
リモコン操作の学習
- 「eHome」アプリのデバイスとして、Alexaで操作する家電とリモコン操作を登録します。
デフォルトの「照明」として登録したデバイスは、以下の発話での操作が確認できました。
今回、eRemotono「ON」「OFF」の項目に対し、家電のリモコンボタンの割当をおこないました。
- 家電タイプ: 「照明」
- 識別名: 「照明」
eRemote項目 | サンプル発話 |
---|---|
ON | 照明をつけて / 照明をオンにして |
OFF | 照明をけして / 照明をオフにして |
明 | 照明を明るくして |
暗 | 照明を暗くして |
2017年12月29日時点、「eHome」アプリで家電タイプ「照明」として登録したデバイスのみが、 「LinkJapan」のAlexaスキルによりスマートホームデバイスとして認識します。
Alexaの操作対象とするエアコン、テレビは、家電タイプ「照明」として登録を行いました。
照明
オーム電機より販売されている、引掛シーリングに後付できるリモコンスイッチを学習させました。
識別名: リビングの明かり
eRemote項目 | 学習させたリモコンボタン | 発話 |
---|---|---|
ON | 電源をオン | アレクサ、リビングの明かりを、つけて |
OFF | 電源をオフ | アレクサ、リビングの明かりを、消して |
エアコン
パナソニックのエアコン付属のリモコンを学習させました。
識別名: リビングのエアコン
eRemote項目 | 学習させたリモコンボタン | 発話 |
---|---|---|
ON | 「自動」 | アレクサ、リビングのエアコンを、つけて |
OFF | 「停止」 | アレクサ、リビングのエアコンを、消して |
テレビ
東芝製のテレビのリモコンを学習させました。
テレビ(電源)
識別名: リビングのテレビ
eRemote項目 | 学習させたリモコンボタン | 発話 |
---|---|---|
ON | 「電源」 | アレクサ、テレビを、つけて |
OFF | 「電源」 | アレクサ、テレビを、消して |
テレビ(消音、チャンネル)
- 消音ボタン
- 主要なチャンネルボタン
- データ放送用ボタン
を「ON」「OFF」操作として学習させました。
Alexaからの利用は後述の「定形アクション」で行う前提とし、スキルの動作に干渉しにくい識別名で登録を行いました。
識別名: 消音ボタン
eRemote項目 | 学習させたリモコンボタン |
---|---|
ON | 「消音」ボタン |
識別名: 1チャンネル
eRemote項目 | 学習させたリモコンボタン |
---|---|
ON | 「1」チャンネル |
- 「1チャンネル」〜「9チャンネル」まで、デバイス登録を行いました。
### テレビ(データ放送用)
識別名: データボタン
eRemote項目 | 学習させたリモコンボタン |
---|---|
ON | 「dデータ」ボタン |
識別名: 青赤ボタン
eRemote項目 | 学習させたリモコンボタン |
---|---|
ON | 「青」ボタン」 |
OFF | 「赤」ボタン」 |
識別名: 緑黄ボタン
eRemote項目 | 学習させたリモコンボタン |
---|---|
ON | 「緑」ボタン」 |
OFF | 「黄」ボタン」 |
識別名: 決定戻るボタン
eRemote項目 | 学習させたリモコンボタン |
---|---|
ON | 「決定」ボタン」 |
OFF | 「戻る」ボタン」 |
Alexaスキル設定
スキルの有効化
Alexaアプリを起動、スキルの検索で「linkjapan」を検索します。
アカウントのリンク
「eHome」モバイルアプリ設定時に登録したメールアドレス、パスワードを用いて、アカウントのリンクを実施します
デバイスの追加
端末の検出 / デバイスの追加を実施すると、「eHome」の家電タイプ「照明」で登録したデバイスが検出されます。
動作確認
ここまでで、Alexaを利用して電源のオン、オフ操作は出来るようになりました。
- Alexa、リビングの明かりを(つけて/消して)
- Alexa、リビングのエアコンを(つけて/消して)
- Alexa、リビングのテレビを(つけて/消して)
- Alexa、(1チャンネル/4チャンネル)をつけて
定形アクション
2017/12/22にアップデートされたAlexaアプリ(iOS版バージョン2.2.874.0)から、 「定形アクション」が利用可能となりました。
「定形アクション」は事前に登録したスキルの実行を行う機能ですが、今回、任意の発話でスキルの命令を実現するための別名(Alias)として「定形アクション」を利用しました。
定形アクションの実行条件(発話)は文章の登録ができますが、一単語のみで設定する事で、文章表現のゆらぎや、誤発動をさける事ができました。
Alexaが意図した応答をしない場合、Alexaアプリの設定から「履歴」を確認します。
Alexaの予約後、辞書に無い、誤認識などが確認された場合、実行条件の表記を見直します。
一斉電源操作
アレクサ、おはよう
- リビングのエアコンをオンにする
- リビングの照明をオンにする
- リビングのテレビをオンにする
アレクサ、おやすみ
- リビングのエアコンをオフにする
- リビングの照明をオフにする
- リビングのテレビをオフにする
テレビチャンネル操作
アレクサ、NHK
- 1チャンネルをオンにする
アレクサ、二チャンネル
- 2チャンネルをオンにする
- 「eテレ」の発話は認識しなかった為、暫定登録。
アレクサ、日テレ
- 4チャンネルをオンにする
アレクサ、テレ朝
- 5チャンネルをオンにする
アレクサ、tbs
- 6チャンネルをオンにする
アレクサ、テレ東
- 7チャンネルをオンにする
アレクサ、フジテレビ
- 8チャンネルをオンにする
アレクサ、tokyo mx
- 9チャンネルをオンにする
データ放送
アレクサ、データ放送
- データボタンをオンにする
アレクサ、決定
- 決定戻るボタンをオンにする
アレクサ、戻る
- 決定戻るボタンをオフにする
アレクサ、青
- 青赤ボタンをオンにする
アレクサ、赤
- 青赤ボタンをオフにする
アレクサ、緑
- 緑黄ボタンをオンにする
アレクサ、黄色
- 緑黄ボタンをオフにする
アレクサ、消音
- 消音ボタンをオフにする
まとめ
「eRemote Mini」、赤外線リモコンに対応した家電の電源オン、オフ操作に加えて、 定形アクションで一工夫する事で、Alexaからの操作を実現することができました。
今後の公式スキルや、定形アクションの機能強化にも期待ですが、 VUI(Voice User Interface)の可能性や、向き不向きなどを手軽に体験できるデバイス「eRemote Mini」。 Amazon EchoやEcho Dotのお供として、ぜひお試しください。
動作例
- 明かりをつけて
- データ放送 → 天気予報(青ボタン)